オマール・ナルバエスはアルゼンチンの英雄だった。
通算で27回も防衛している43勝1敗で試合巧者で井上尚弥VSナルバエスはダウンを未だかつて体験したことのない絶対王者との対戦となります。
絶対王者オマール・ナルバエスの最近の試合、2013年8月に日本人、高山貴之と対戦し10回TKOで勝利。
2014年5月は若い世界バンタム級ユース王者アントニオ・ガルシアをボディ一撃で4回3分にKO勝ち
2014年9月はWBOスーパーフライ級1位のフェリペ・オルクタに苦戦しながらも判定勝ちして11度目の防衛に成功していた。
オマール・ナルバエスは井上尚弥とは12度めの防衛戦となったが、
2年前に日本人、高山貴之にTKO勝ちしている実績もあった。
また、井上尚弥の試合経験がわずか7試合というところ、5月に同じように若くて経験の浅い生きのいいアントニオ・ガルシアに4回KO勝ちもしていることから、
オマール・ナルバエスは地元アルゼンチンではなくわざわざ日本に来たことで、油断があったのかもしれない。
井上尚弥は試合経験が7試合と浅いし、初のスーパーフライ級なので誰が評価しても、この対戦は無謀という見方が強かった。
オマール・ナルバエスは一度も倒されたことが無いということから防御は完璧。
テレビのアナウンサーもいかに完璧な防御を崩すかが課題のようなことをしきりに話していた。
井上尚弥本人も、12回判定を覚悟していたのではと思う。
観戦する視聴者もその知識があるのでみかんの皮をむきながらコタツでどっしりと構えてからゴングが鳴った。
体つきはチャンピオンのナルバエスは小さく感じた。序盤から井上尚弥の動きが良くてジャブが当たる。
そして開始27秒で、井上尚弥の右フックがガードが堅いといわれたチャンピオン、ナルバエスの顔面にモロに入る。
あっという間の出来事。
私は思わず立ち上がってテレビ画面に近づき「すげー!」と、寄生を上げた。
子供がパパうるさい!ちょっと、凄いよ。このパンチ!。
しかしながらチャンピオンのナルバエスは直ぐに立ち上がった。
そして1分。井上尚弥の左フックが空を切ったと思った瞬間ナルバエスが倒れる。
あれええ!かすっただけで倒れちゃった。
その後、ナルバエスも立ち直り、1ラウンド終了。
後日談で、井上尚弥は最初のパンチで拳を痛めたそうだ。
第2ラウンドになるとオマール・ナルバエスもパンチを素早く放つ。
ただし、オマール・ナルバエスがパンチした後には井上尚弥の強烈な返しのパンチがきてその時のパンチのスピードや重さが井上尚弥のほうがはるかに勝って見える。
2ラウンド開始1分19秒、井上尚弥の目にも止まらぬ早さの左ショートフックがオマール・ナルバエスの顔面をコスったようだ。
ナルバエスはひざからガクンと腰を落とす。
ダウンだ。
今まで3回ダウンしているが、すべて一発のパンチ。こんなの見たことないです。
打ち合いじゃない。大人と子供の差があるような感じ。
アナウンサーも解説もまたまた大興奮です。効いていない感じでオマール・ナルバエスは直ぐに立ち上がる。
そして2分48秒に強烈な左ボディが決まる。スローで見たらサイドのお腹の部分に拳がめり込んでいく。またまた一発のパンチでオマール・ナルバエスが完全に沈んだ。
解説が圧倒的強さ!35年間で1番凄いパンチ。ボクシング史上、もっとも偉大な勝利。このボディの音は忘れられない。
世界を切り裂くような音。カウンターじゃない!地球の地軸がズレる凄いパンチ。
絶賛の嵐でこちらも大興奮!
本当に凄いパンチでだらだら打ち合う、クリンチは一度もないパンチがクリーンヒットしてこんなボクシングは初めて見ました。
凄かった。
印象的だったのはオマール・ナルバエスの9歳の可愛い息子がリング上で泣いている映像だった。
井上尚弥とナルバエスの試合をテレビ観戦してみて私の反応は・・井上尚弥の強さにあっけにとられたという感じだった。
かすっただけで伝説の王者がガクンと倒れてしまうのた。
こんな凄い男はかつて見たことないでしょう。
元チャンピオンのナルバエスは「井上のパンチ力に舌を巻いた」と感想を述べていた。
実際に井上尚弥と闘ったことのあるナルバエスにしかわからないパンチ力。アルゼンチンの絶対王者に勝ったこの試合は歴史的金星だった。